マーケティング論

映画やドラマのヒットにはSNS・Webマーケティング力が必要不可欠になった話

こんにちは、高橋ソマリ(@somari01)です☺️

今回はちょっとシナリオではなくマーケティング関連の話をしたいと思います。

映画やドラマに限らないのですが、クリエイターって「良いものを作れば売れるはず」と思っている人が本当に多いです。でも実際には全くそんなことなくて、いくら良質な作品を作ったところで、それが消費者に届かなければ意味なく、つまり売れません(><)

高橋ソマリ
じゃあ、どんな商品をどうやって世に放ったらターゲット層に最大効率で届くかなぁ??

なーんて考えるのがマーケティングの見せ所になります。

例えば脚本家であれば、「自分が描きたい作品」が世にウケるなんてケースはほんの一部の天才のワザでしかありません。99%の凡人作家は「世の中がいま求めているもの・ニーズ」を察知して、そちらに自分(の作品)を迎合させていくスキルが必要になります。

まぁ、こういうのを考えるのはプロデューサーの仕事なんですけどね(笑)。ビジネスパートナーとしてタッグを組む脚本家もこうしたマーケティング脳は持っておいて損はありません。

さて、なんで今回マーケティングの話を持ち出したかというと、

WEBマーケティングの配慮が足りなくてコケた?「とある映画」が話題になったからです。

 

映画「来る」はWEBマーケティングの配慮が足りずコケた?

はい、今回話題に出したい映画は「来る」という中島哲也監督の最新作です(2018年12月公開)。

中島哲也監督は映画好きなら知らない人いないと思いますが、告白とか嫌われ松子とか下妻物語とかヒット映画を多数撮ってる大御所監督です。

「来る」はそんな中島監督の最新作とあって、キャスト陣も「岡田准一」「黒木華」「小松菜奈」と気合の入れよう。プロデューサーにも今一番波に乗ってる「川村元気」が付いている強力な布陣です👍

そんな映画「来る」に関して、先日興味ぶかい記事をSNSで読みました。

「来る」がコケた理由は”ググラビリティ”?

その話題になっていた記事がこちら。

参考リンク映画「来る」がコケた理由は、ネット検索のしやすさ「ググラビリティ」を配慮しなかったからという説が一理あって面白い

議論の発端になったのは下記ツイートのようです👇

「ググラビリティ」というのは”ググる(検索する)”から派生した造語ですが、要するに「検索のしやすさ」を意味するものです。

映画「来る」は、そのタイトルが非常にネット検索しにくい、つまり「ググラビリティが低すぎる」というのがイマイチヒットに繋がらなかった原因ではないか? と言われています。

今の若者世代というのは、映画の人気や口コミを調べるのにSNS検索を使います。私も映画の口コミを見たい時はTwitterで映画名で検索して調べたりします。

そこで映画「来る」の口コミを調べようと「来る」で検索しても、”来る”は普通の動詞なのであらゆるツイートがヒットしてしまい、映画「来る」に言及したツイートだけを見ることが困難です。

高橋ソマリ
ハッシュタグ「#」をつけて「#来る」で検索すれば、映画「来る」に関するツイートを抽出できるんですけどね

それに加えて、SNSで爆発的に認知を広めるのに有効なのがTwitterトレンドワード(急上昇ワード)です。このトレンドに載るとバズりやすくなるので、WEB界隈でサービスや商品を宣伝したい時にはいかにトレンドワードに載せるかに躍起になったりします。

この点でも映画「来る」は圧倒的に不利で、”来る”は一般動詞なのでトレンドワードに掲載されません😢

映画「来る」のSNS公式アカウントも「#映画来る」で対応

多分そのことに気づいてか、映画「来る」の公式Twitterアカウントは「#映画来る」でハッシュタグを作っているようですね。

ただ、公式アカのツイートを遡ってみると、以前は「#来る」でハッシュタグ作っていました👇

暇だったので調べたところ、2018年の11月あたりから「#来る」を「#映画来る」に変えたようですね。おそらくその時に初めて「#来る」じゃダメだということに気づいたんでしょう(笑)。

とはいえ、今も映画「来る」を観た人の多くが「#来る」で口コミ書いてしまってるのでハッシュタグを統一できず、なんとも言えない微妙な感じになっています……(泣)。

高橋ソマリ
一応補足です💡

映画「来る」は確かに興収的に微妙っぽいですが、本当にググラビリティが原因かは不明です。「そう考える説もある」というお話ですのであしからずm(_ _)m

作品のヒットにSNSの拡散力は必要不可欠になっている

最近のテレビドラマとか観てると分かりますが、作品名を4文字で略す略称スタイルが増えてきてますよね。

  • 「逃げ恥」(逃げるは恥だが役に立つ)
  • 「あなそれ」(あなたのことはそれほど)
  • 「地味スゴ」(地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子)
  • 「セカムズ」(世界一むずかしい恋)

これは日本人に4文字の略称が馴染みやすい(ドラクエとかポケモンとか)という性質もありますが、それ以上にドラマのヒットにSNS戦略が欠かせなくなってきた点が大きいです。

SNS戦略では、ハッシュタグ(#)が流行ることが絶対条件です。ハッシュタグは長い語句は嫌われやすいので、タイトルが長くなりがちなドラマは語呂のよい4文字の略称をハッシュタグ拡散用に作っておきたいわけですね。

この傾向の転機となったは、やはりSNS戦略がバッチリはまって大ヒットした「逃げ恥」の影響でしょう。

私も当時ハマっていましたが、ドラマが放送されると毎週必ず「#逃げ恥」のトレンドワードがトップに上がってきていました。なのでドラマを見終わった後にハッシュタグ辿ってみんなの感想を見たりして「そうだよね〜わかる〜」と共感を楽しむというね👍

ドラマ見終えてからSNS回遊までがセットで「逃げ恥日課」でした(笑)。

高橋ソマリ
ただでさえ、逃げ恥には「ガッキーの可愛さ」「星野源」「恋ダンス」など、ついついシェアしたくなる要素が満載でしたよね。

とくに恋ダンスはネットでのバズを狙って作られたものなら見事としか言いようがありません。

そんな逃げ恥のヒットに続けと言わんばかりに、SNS対策で略称をつけるドラマが増えたように思います。中には「それはちょっと無理やりすぎない…?」というものまで👇

高橋ソマリ
「#ムズコイ」の方がまだしっくり来ると思いません?(笑)

SNS口コミから人気に火がついた作品を見習おう

とまぁこんな感じで、近年は映画やドラマなど作品をヒットさせるのにSNS戦略、もっと広く言うとネット戦略が必要不可欠になってきているよーというお話でした。

ただテレビCM流してバラエティ番組で番宣しとけばOKでしょうって時代は終わった感じ。

逆に、最近はSNS戦略が当たって大きなヒットを飛ばした作品も出てきてますよね💡

流行語になるほど大ヒットした「おっさんずラブ」

「おっさん同士のボーイズラブ」という際どいテーマかつ深夜ドラマながらも、流行語大賞にノミネートからの映画化まで決定したヒット作品「おっさんずラブ」。

初回こそ視聴率2%程度でしたが、一部の女性ファンからSNSで口コミに火がついて、ツイッターのハッシュタグ「#おっさんずラブ」が世界トレンド1位を記録したほどの人気ぶりでした。

漫画などもそうですが、BL(ボーイズラブ)って一部に熱狂的なファンが付くジャンルなんですよね。ドラマCDとかもボーイズラブ作品ってプレミア価格が付きやすくて驚きますよ∑(゚Д゚)

当然マイノリティなのでターゲットセグメントとしては狭いんですけど、こうした熱狂的なファンはコミュニティ内で爆発的に盛り上がるので、ツイッターと相性が良かったのでしょう。

そして、こうした狭く深いコアファンはお金を使ってくれるのが特徴。おっさんずラブもドラマヒットに伴い、DVD・関連書籍・グッズなど関連商品が爆発的に売れたようです。

高橋ソマリ
シナリオブックも出ていますよ☺️

おっさんずラブのように狭く深いコア層を狙う作品ほど、SNS戦略がヒットの重要なファクターになるのは間違いありません。

視聴するならココ

おっさんずラブは、 Hulu(フールー) で配信中です(2週間の無料体験あり)。

※時期によって放送内容は変更される場合あります

興収30億円叩き出した「カメラを止めるな!」

テレビCMも流さず番宣にも一切出ずに、SNS口コミの拡散の力で興行収入30億円を叩き出した奇跡の映画が2018年に話題になりましたよね。

そう、「カメラを止めるな!」です。

製作費はたった300万円、新人監督と無名の俳優たちだけで作られた自主制作映画は、SNSから口コミに火がつき、やがて全国300館以上で上映し興行収入30億円を突破するという邦画史に残る偉業を達成しました。

SNS戦略も含め、「カメラを止めるな!」の何が凄かったのかは下記記事でアツく書いたので、よろしければ合わせてお読みください☺️

ヒットの要因
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視聴するならココ

おっさんずラブは、 U-NEXT で視聴できます(31日間の無料体験あり)。

※時期によって放送内容は変更される場合あります

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